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今日は実家に帰ってるんですが‥‥。

我が家で世界一凶暴で俊敏な黒い忍者が出没しやがった。

世間はゴキブリと呼ぶらしいが,そんな事はどうでも良い。


あいつは箱型の底無し沼(ゴキブリホイホイ)にも勝つ恐ろしいやつだ。

俺様は何度か奴の姿を横目に見た事はあったが,敵うはずのない相手に挑むほど愚かじゃないので,隊長(父)の後ろで奴が負けるのを見る日々だった。



だが,とうとう恐れていた日が来てしまった。


その日は隊長が残業で,休戦中だった。


こんな日に限って奴が原子爆弾を落としてくる事はないだろう。

俺は奴を見くびっていた。
奴はそんなに優しくなかった。



シュンッ……


ん…黒い影…
いや,まさかな……。


鼻で笑いながら黒い影を凝視した。



な……に……!?
あの油がほどよく光るボディー
不気味なほど不気味な触角

間違いない………奴だ!!


今日は頼りになる隊長いない…。

頼れるのは自分自身のみ。

いや,こっちには細胞粉砕毒ガス噴射型爆弾(殺虫剤)があるんだ。

俺は右手に毒ガス爆弾を持ち静かに歩み寄った。


少しでも足音をたてればゲームオーバーだ。
奴は身を翻して,背に持つ刃(羽)を広げ追撃してくるだろう。

そうなったらもう待つは死のみ。



俺が奴に勝てるのは,先制攻撃する以外に手はない。


ふっ…
ちくしょう…
腕が震えてやがるぜ
たかが悪魔の一匹…

隊長は一度に三匹を相手にしたんだ!

俺様だって……!!



俺は右手に持った毒ガスを奴に向かって噴射した。


サッ…!!


ちっ…


案の定,奴は身を交わした。
ま,それは計算内なので,そのまま毒ガスを浴びせ続けた。


ふぅ。
もういいだろう。

煙幕が薄くなり見えた奴はピクリとも動かない。


決着は,ついたかのように思えた。



やはり,俺は奴を見くびっていた。


ガサッ…

ガサガサガサガサ!!


奴は6本もの曲線美を強調させた足でこっちに向かって来ている。



奴は不死身か!!
白旗を振ろう。
もう,これしか手はない。
俺様には奴に勝つほどの戦闘力は,なかったんだ…。
くそっ…隊長すまない…。


俺は180度回転して戦場を後にしようとした,その時!!


バサッバサッ


と……飛んだ……


気付いた時には,目が寄り目になってしまうほど接近していた…。


うわぁああ!!


俺は持っていた毒ガス爆弾で奴を叩き落とした。


おりゃあぁあ!!
失せろぉおぉお!
ふざけんなぁ!!


無我夢中で殴り続けた。
無我夢中で叩き潰した。
無我夢中で叫び続けた。

諦めたら終わりだ。
負けたら待つは死だ。
行くしかない…

俺は…勝てる!!!





「お,お兄ちゃん?」


声に振り向くと,弟と母親が苦笑しながらこっちを見ている。



目の前を見ると原形をとどめていない,無惨な姿になった奴の屍が転がっている。



「ゴキブリ怖かったよー」




俺の戦いは終わった。




元気君の初夏の夜のお話でした。



いや~,ゴキブリは怖いね。

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